エステサロン開業前に知っておくべき10つのポイントを解説

エステの歴史は、古代エジプトのクレオパトラの時代に遡り、当時から脱毛やボディマッサージの先駆けとなる施術が行われていました。現在は、ボディエステやフェイシャルエステ、ブライダルエステ、メンズエステなど、多様化したニーズに合わせたエステサロンが存在し、駅周辺や住宅街で見かけるほど、市場は賑わいを見せています。

しかし、エステサロンの開業にあたって、初期投資、ランニングコスト、運営方針の確立などの準備を行うことが重要です。また、競争が激しい市場であるため、差別化するための戦略も必要となります。

成功するためには、開業前に注意点や関連情報を確認しておき、適切な計画が必要となります。本記事では、エステサロンにおける業界の最新動向と開業前に知っておくべき10つのポイントを紹介します。

エステサロン業界の最新動向

エステサロン業界の現状

株式会社リクルート・ホットペッパービューティーアカデミーの【美容センサス 2023 年上期】≪ネイルサロン編≫」によると、2019年には4,086億円であったエステサロンの市場規模は、2022年には3,971億円まで下落しました。エステサロン全体の市場規模としては、横ばいかやや減少傾向にあります。

エステ業界がかかえる課題

近年は新規開業店舗の増加や顧客層の拡大により、競争が激化したことにより、安定した収益を得ることが難しくなってきています。事業者側は、開業前からサロンにおける付加価値の提供性やリピーターを育成する集客方法などを模索する必要があります。

エステサロンを開業前に知っておくべき10つのポイント

①経営者は全て自己責任

雇用されていた時と比較して、開業して経営者になると大きく変わることとして、経営の結果が全て自己責任となることです。スタッフを雇えば、スタッフたちがミスも自身で責任を負うこととなります。

また、エステサロンの経営者はサービスの種類、価格設定、営業時間、スタッフの採用など、サロン運営に関わる全ての意思決定を行います。これらの決定は顧客の満足度やサロンの評判に直結するため、責任を持って行う姿勢が問われます。

②高度な技術力とビジネスの運営スキル違い

開業される人の多くは自身の技術に自信があり、雇われていたサロンでもある程度の実績を出されていた場合が多いです。開業初期にサロンが直面しやすい課題は、新規顧客の獲得となります。

そのうえで、開業時にオープニングイベントを開催し、特別割引やサービスのデモンストレーションを提供することで、新規顧客の関心を惹きつけるなど、多角的なマーケティング戦略が求められます。

エステティシャンの技術力と集客などのビジネスの運営スキルは異なります。事前にエステサロンの運営に求められるスキルを学んでおくことが重要となります。

③エステサロン開業に資格は必要であるか

エステサロンを開業する際、特別な資格を持つ必要はありません。資格がなくても、専門知識や技術があれば、サロンを開業して成功されることも可能です。

しかし、以下のような民間資格を持つことで、第三者機関からの客観的な証明となるため、専門的な知識や技術を顧客にアピールすることができます。

AJESTHE認定エステティシャン

一般社団法人日本エステティック協会が与える資格です。基本的な知識・技術をもち、担当範囲のエステティックサービスを適切に提供できる能力を有することを証明できます。また、上級エステティシャンやトータルエステティックアドバイザーなどの上位資格を持つことで、より高い知識や技術を示すことも可能です。

AEA認定エステティシャン

一般社団法人日本エステティック業協会が与える資格です。基礎知識と技術を持ち、禁忌や注意事項を理解し安全な技術提供を行うエステティシャンであることの証明になります。こちらも上級資格を得ることで、豊富な経験や知識から、顧客満足度の高いコースを提案するうえで、重要な資格となります。

④エステサロンの開業に適した人材の特徴

エステサロンを開業することで、財務管理、マーケティング戦略、人材管理、顧客サービスの質など、ビジネス全体の運営を自身で行っていきます。開業には専門知識や技術力のみならず、多くの挑戦や予期せぬ困難が伴います。

そのため、開業に対して強い気持ちがある人が、サロン開業に適しています。不確実性に対して柔軟に対応し、環境の変化に適応できる強いメンタルや自分自身を動機付けし、目標に向かってコミットする能力が求められます。

⑤顧客との信頼関係を築く重要性

顧客が自身のサービスを選び、リピートしてくれるかどうかは、顧客との良好な信頼関係の構築ができるかが重要となります。顧客との約束を守り、時間に正確であること、期待されたサービスを一貫して提供する姿勢が求められます。

また、誕生日や記念日に特別なオファーをするなど、顧客の個々のニーズに合わせたサービス提供をすることで、信頼関係の深化につなげられます。

⑥法的手続きの対応

サロン開業するの法的手続きを段階を手堅く整えることで、後のトラブルを未然に防ぐことができます。具体的に店舗の設置場所には地域や建物の用途に応じた規制があるため、事前に確認が必要です。

特に住宅地区や商業地区、都市計画区域などの地区ごとの用途制限を理解し、適切なエリアに店舗を設置することが大切です。

＞＞需要増加中のエステサロン！今から開業したい人が知っておくべきポイント【前編】

＞＞需要増加中のエステサロン！今から開業したい人が知っておくべきポイント【後編】

⑦エステサロンの独自性を模索する

先述の通り、エステサロン業界の競争は激化しており、以前よりサロンの独自性が求められます。サロンを開業する際には、将来の事業展開を見据たサービス提供が重要です。

例えば、ターゲットとする顧客層に応じたメニュー開発、独自のサロンコンセプトの確立、利用者のニーズを満たすためのオプションサービスの提案などです。サロンが他と区別される独自性を持つことで、顧客に新鮮な魅力を提供し、他のサロンとは異なる体験価値のアピールにつなげられます。

⑧人通りとターゲット層の分析

人通りの多い地域を開業場所として選ぶことは、潜在的な顧客の目に触れる機会を大きく増やします。その際、ターゲットとする顧客層がどのようなエリアに集まりやすいかを把握することが重要です。例えば、若い女性をターゲットにしたエステロンであれば、学校やオフィスビルの近く、ファッションブランドが集まるショッピングエリアなどが適しているかもしれません。

また、駅から近い、バス停が目の前、駐車場が完備されているといった条件は特に、利便性を求める顧客にとっては非常に魅力的です。

＞＞エステサロンの物件選びのポイントは？開業が成功するコツを解説！

⑨開業前からのマーケティング活動

開業前からマーケティング活動を行うことで、サロンのブランド認知を早期に築け、見込み顧客の獲得につなげられます。実際にサロンがオープンした時には、既に市場にブランドが知られやすい状態を作れます。

開業前のマーケティングを通じて、オープニングイベントや特別プロモーションへの期待感を高められ、開業初日の顧客来店率を高められます。

＞＞エステサロンの集客に向けたターゲット設定とポイントを解説

⑩キャッシュフロー管理の見直し

サロン経営者は、収支のバランスを常に見直し、キャッシュフローの効率化な管理が求められます。キャッシュフローの見直しにより、不必要な支出を削減し、効率的な運営を図ることができます。エステサロンを開業前に、キャッシュフローを含む財務の勉強をしておくことが不可欠です。

＞＞効果的なエステサロンの経営を行うための施策を紹介

エステサロンの予約システムとは

エステサロンの予約システムは、サロンの予約や顧客の管理を自動で行うシステムです。物件を契約しエステサロンを開業した際に導入しておくことで、サロンの運営を円滑化できます。

予約システムの概要

予約システムは予約や顧客情報の自動管理だけでなく、マーケティングの強化や費用削減など、さまざまな面で役立つ機能を搭載したシステムです。その便利さから、エステサロンだけでなく、多種多様な業種で導入されています。

現在では、多くの予約システムが存在するため、エステサロンの運営に合った予約システムを見極める必要があります

予約システムの導入メリット

エステサロンに予約システムを導入するメリットは数多く存在します。以下で、特に効果的なメリットを紹介します。

まとめ

今回はエステサロン業界の最新動向と開業前に知っておくべき10つのポイントについて解説しました。自身のエステサロンを開業するうえで、事前に関連情報を把握することで、開業後にスムーズな経営につなげられます。

エステサロンを開業を検討されている人は、本記事を参考にしてみてください。