指の爪をキャンパスに見立て、アート感覚で自由にデザインするネイルアート。現代においてネイルは女性の嗜みでもあり、化粧や染髪と同じく身近にあるものです。それだけ普及率の高いものであるからこそ、ネイリストとなり、ネイルサロンを開業する経営者は少なくありません。
しかし、新しく開業したネイルサロンの中には、数年で閉店するケースも少なくありません。優れた技術を有したスタッフがいても、経営が存続できないまでに追い込まれているネイルサロンが数多くあります。
本記事では、ネイルサロン運営の失敗原因と、成功のコツについて解説します。
ネイルサロン業界の現状
NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が発行している「ネイル白書」によると、2005年から2010年の10年間でネイルサービスの数が急増しています。その後、2019年までネイルサロンの数は増え続けましたが、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響で減少し、多くのサロンが廃業しました。一方でコロナ禍の収束により、2022年から、ネイルの需要が回復する見込みとなっています。
しかし、その増加率は比較的緩やかであり、その要因はセルフネイルを楽しむ人が増え、サロンで施術を受ける人が減った事が挙げられます。今までネイルサロンでしか受けられなかったジェルネイルが、数年前から専用キットを使えば自宅で手軽に行えるようになりました。また、セルフネイルチップ(付け爪)のデザイン性や利便性における向上、セルフネイル用品の低価格化などが進んだこともネイルサロンのが減少した理由です。
限られた需要の中でネイルサロンの経営を成功させるためには、失敗原因と成功のコツを理解する必要があります。
ネイルサロン経営で失敗する原因
ネイルサロン経営で失敗する原因はさまざまです。それらを知っておくことで、未然に失敗を防ぐことができます。
開業方法の選択ミス
店舗の開業方法は、ネイルサロンの経営において最も根幹となる要素です。そのため、開業方法の選択をおろそかにすると、ネイルサロン経営の失敗につながります。
初期投資や運営にかかるコストは、開業方法により異なります。それぞれに、ターゲットや市場、自身の予算やライフスタイルを照らし合わせて考えることが必要です。また、運営形態は、開業した後に気軽に変えることはできません。ネイルサロンを始める際には、きちんとした事業計画書を作成し、開業方法を十分に検討する必要があります。
集客力不足
ネイルサロンの経営で適切なマーケティング、宣伝活動が行われないと、ネイルサロンの存在や魅力が知られず、新規顧客の獲得が難しくなります。また、競合店舗が積極的に宣伝を行っている場合、自店舗の存在が埋もれてしまうかもしれません。
結果として、集客数の減少や収益の低下、顧客離れが進む可能性があります。
技術力不足
ネイルサロンにおけるスタッフの技術力不足は、サロンの運営に直結する重要な問題です。立地やサロンの雰囲気がどれだけ良くても、提供されるサービスの質が低い場合、顧客の再来店につなげにくくなります。それだけでなく、利用者から口コミやSNSで悪い評価を拡散されるリスクもあり、新規顧客の獲得も困難になります。また、技術不足を自覚したスタッフの自信やモチベーションが低下し、さらにパフォーマンスが落ちる可能性もあります。
差別化ができていない
自身のネイルサロンにおける差別化ができていない場合、固定客の獲得は難しいです。他店との間に違いや独自性がないと、自身が経営するサロンを顧客が選ぶ理由が少なくなり、顧客の流動性は高まります。
また、差別化要因が少ないと、価格が主要な競争要因となるため、価格競争に巻き込まれるリスクが高いです。その結果、価格を下げすぎて利益が減り、サロン経営を継続できなくなってしまう可能性があります。しっかりと差別化をしていない場合、競争が激しいネイルサロン市場で生き残ることは困難です。
ネイルサロン経営で成功するコツ
ネイルサロン経営で成功するためには、多くのコツを掴んでおかなければなりません。以下では具体的なコツを紹介しています。
開業方法を慎重に選択する
ネイルサロンの経営を成功させるには、開業方法を適切に選択することが不可欠です。以下に、開業方法の種類とそれぞれのメリットとデメリットをまとめました。
【自宅開業型サロン】
自宅開業型サロンは、自宅の一部を利用してネイルサロンを開業する方法です。経営する際の自由度の高さと初期投資の少なさが、メリットとして挙げられます。
デメリットは、仕事とプライベートの区別がつけにくい点とサロンの対外的な信用が得にくい点です。自宅開業型サロンは、小規模から気軽にスタートしたい人、家庭との両立を図りながらサロン経営をしたい人に向いています。
【店舗開業型サロン】
店舗開業型サロンは、テナント契約によりビルや商業施設の一角を借りて、独立した店舗として開業する方法です。メリットは、自宅開業と比べて信用が得やすく、立地などの条件が良ければより多くの集客が見込める点です。
デメリットは、初期費用やランニングコストが多くかかる点となります。店舗開業型サロンは、資金的な余裕がある人や、ネイルサロン経営の知識や経験が豊富で一気に事業拡大を図りたい人に向いています。
【フランチャイズサロン】
フランチャイズサロンは、既存のネイルサロンチェーンのフランチャイズとして開業する形態です。 本部のブランド力、ノウハウを活用できること、経営サポートを受けられる点がメリットです。
デメリットは、フランチャイズのロイヤリティ料による利益の圧迫となります。フランチャイズサロンは、ネイルサロンの経営が初めての人や経営に不安を抱えている人に向いています。
【移動型・出張型サロン】
移動式・出張型サロンは、クライアントの自宅やオフィス、イベント会場などに出向いてサービスを提供する形態です。店舗の固定費を気にすることなく、柔軟に営業できる点が、メリットとなります。
デメリットは、移動に時間を要するため、1日に受け入れられる件数が限られている点です。移動型・出張型サロンは、固定費を抑え、自分のペースで働きたい人に向いています。
ネイルサロンの適した開業方法は、人により異なります。自身の予算やライフスタイルによく照らし合わせることで、円滑なネイルサロン経営が実現可能です。
SNSを使った集客
SNSを用いてサロンを宣伝することで、費用を抑えて集客することができます。主なSNSは、X(旧Twitter)やinstagram、FacebookやYoutube、TikTokが存在します。これらでアカウントを作成する際には費用が掛かりません。サービス内容やサロンの内観や外観をそれぞれの媒体に投稿することで、多くの人にサロンの魅力を伝えられます。
また、LINE公式アカウントを作成することで、クーポンの譲渡や予約受付などの業務を効率化することも可能です。SNSを活用することで、費用を抑えながら、多くの顧客の来店意欲を向上させることにつながります。
技術を学び続ける
ネイルアートの技術は日々進化し続けているため、他のサロンに負けないためには、技術を学び続けることが必要です。特に最新技術によるデザインを求めている顧客は少なくないため、それを習得することで大きな武器となります。トレンドを正確に把握し、それに合わせた技術を習得することも重要です。
また、ネイルアート以外でも、マッサージなどのリラクゼーション技術を学ぶことも効果的です。他のサロンにないサービスを提供でき、差別化を強化することができます。競争の激しいネイルサロン業界で生き残るには、継続した技術の学びが必要です。
業務効率化
ネイルサロンの経営では、業務の効率化を図り、運営コストを削減することで、利益率を高めることが可能です。
ネイルサロンの運営では、顧客情報の管理や予約受付、設備や備品の管理など、多くの業務が存在します。経営がうまくいっていないネイルサロンは、それらの業務を非効率的に行っている場合が多いです。無駄な費用がかさむだけでなく、時間も多く取られるため、技術を学ぶ余裕もありません。
業務を人の手で行っているままでは、どれだけ効率化を図っても限界があります。そこで、有効なのが業務のデジタル化です。顧客情報の管理もできる予約システムや、ネイルプリンターなどの自動化設備を導入することで、大幅な業務効率化が見込めます。
まとめ
セルフネイルの質が向上したことにより、今後ネイルサロンの需要が大きく増えることは見込めません。限られた需要の中で、ネイルサロンの運営を成功させるためには、失敗原因を未然に防ぎ、成功のコツを把握して取り組むことが求められます。失敗の原因としては、開業方法の選択ミスや集客力不足、技術力不足や差別化ができていないことが挙げられます。
また、成功のコツは開業方法を慎重に選択すること、集客にSNSを活用すること、技術を学び続けること、業務効率化です。ネイルサロンの運営に悩んでいる人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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