美の追求を専門とするエステサロンは、現代人のライフスタイルに欠かせない存在です。今や男女を問わず広く支持されており、フェイシャルケアからボディトリートメントまで、多様なサービスが展開されています。
しかし、新しく開業したエステサロンの中には、数年で閉店するケースが少なくありません。優れた技術を有したスタッフがいても、経営が存続できないまでに追い込まれているサロンが数多くあります。
本記事では、エステサロン運営の失敗の原因と、成功のコツについて解説します。
エステサロン業界の現状
東京商工リサーチが発表した調査によると、2023年度のエステティック業の倒産数は前年度の1.7倍に急増しており、2004年度以降の20年間では、2019年度の76件を超えて最多を記録しました。新型コロナウイルス流行の影響が一時的に落ち着いた後も、エステサロン業界では来店客の戻りが鈍く、経営環境の厳しさが浮き彫りになっています。
特に脱毛や痩身を目的としたサロンでは、対面サービスの特性上感染リスクへの懸念が続いており、客足が完全には回復していません。さらに、自宅で手軽に施術が行えるセルフエステの普及が進んだことで、サロンを訪れる人が減少し、業績不振に拍車をかけています。
このように限られた需要の中でエステサロンの経営を成功させるためには、失敗の原因と成功のコツを理解する必要があります。
エステサロン経営で失敗する原因
コンセプト・ターゲットを差別化できていない
エステ業界では、多くのサロンが類似したサービスを提供しており、他店との差別化が難しい傾向にあります。痩身や美肌、脱毛など一般的なメニューだけでは顧客に特別感を与えることができず、来店理由になりにくいです。
さらに、ターゲット層が広すぎると、広告やプロモーションの効果が分散し、集客効率が低下してしまいます。差別化が十分でないサロンは、価格競争に巻き込まれやすく、利益率の低下によって経営が困難になるケースが多いです。
価格設定を誤っている
価格設定は非常に重要です。価格が高すぎると顧客は店舗を利用しづらくなり、来店頻度が低下する恐れがあります。一方で、安すぎる価格設定では、店舗が十分な利益を確保できず、運営コストを賄うことができません。また、低価格で提供すると、顧客に『質が低い』と見なされるリスクがあり、集客に結びつかない場合もあります。
価格は、サービス内容やターゲット層のニーズを踏まえて設定することが大切ですが、厳しい経営状況にあるサロンの事業者は、この見極めが不十分なまま運営を行っていることが多いです。
内装に生活感が出ている
エステサロンはリラックスや特別な時間を提供する場所であり、非日常を演出する空間づくりが求められます。しかし、生活感が漂うインテリアや家具を設置していると、特別な空間としての魅力が薄れ、顧客に対する訴求力が低下します。
また、古い設備をそのまま使っていたり、店内の掃除が十分でなかったりすると、顧客の信頼を失う原因となります。特に自宅でサロンを経営している場合、この点には注意が必要です。
資金計画に不備がある
サロンの開業や運営には、設備投資、広告費、人件費、家賃など、多岐にわたる費用がかかります。これらの支出を適切に見積もり、長期的な視点で資金繰りを計画することが重要です。しかし、計画が不十分だと、予期せぬ出費や売上の変動に対応できず、経営が行き詰まるリスクが高まります。
エステサロン経営で成功するコツ
コンセプト・ターゲットを明確に
エステサロン経営で成功するためには、特定の顧客へ訴求力が高い独自のコンセプトを打ち出す必要があります。例えば、「スポーツ愛好家向けのボディケアサロン」「産後ケアに特化したママ向けエステサロン」などのサロンは他店舗と差別化でき、特定のニーズに応えられるため、顧客の満足度やリピート率を高めることが可能です。
明確なコンセプトとターゲット設定は、サロンのブランド力を高め、集客効果を向上させます。
市場調査のうえで価格を設定する
価格設定を適切に行うためには、ターゲット層のニーズや市場の動向をしっかりと分析し、競合サロンの価格帯を踏まえた上で、自店舗の価値を最大限に活かせる料金を見極めることが必須です。
ただ単に安価な設定にするのではなく、顧客が納得できるだけの付加価値を提供することが重要です。例えば、ベーシックなコースに加え、特定のニーズに応えるオプションメニューや、より充実したケアが受けられるアップグレードプランを用意することで、顧客の満足度を高めながら売上を増やすことが可能です。また、月額コースや回数券を用意することで、リピート率を向上させる施策も有効です。顧客に対して『価格以上の価値がある』と感じてもらうことで、信頼を得て長期的な関係を築くことができるでしょう。
内装に資金をかける
経営が厳しい状態にあるエステサロンほど、内装への投資を後回しにする傾向にありますが、接客業である以上内装の工夫は非常に重要です。ターゲット層に合ったデザインや快適さを追求することで、初めて来店する顧客にも好印象を与えることができ、リピーターの数を増やすことが可能です。
豪華さにこだわる必要はありませんが、質の良い家具やコンセプトに合った照明、清潔感のある装飾を施すことが、サロンの価値を高めるポイントとなります。特に、シンプルで落ち着いた内装は多くの顧客に好まれ、居心地の良さを感じてもらうことができます。
運営費用の無駄を省く
エステサロンの成功は、開業や運営にかかる費用を正確に見積もり、適切に資金繰りを行うことから始まります。設備投資、広告費、人件費、家賃など、運営にかかわるコストを把握することが不可欠です。
そのうえで、不必要な支出を削減し、効率化を図ることが重要です。たとえば、予約管理や顧客管理を自動化するシステムを導入することで、手作業による時間の浪費を削減し、スタッフの労働効率を向上させることができます。また在庫管理においても、必要最低限の製品を適切なタイミングで補充することによって、無駄な購入を防ぐことが可能です。
まとめ
本記事では、エステサロンの経営者が陥りがちな失敗の原因を解説し、それを克服するためのコツを紹介しました。エステサロンの成功には、明確なコンセプト・ターゲット設定、適切な価格設定、内装への工夫、運営費用の無駄の削減が重要になります。エステサロンの経営に悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
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